現在の鰹節に比較的近いものが、日本の歴史にはじめて登場するのは室町時代のことだといわれています。1489年のものとされる「四条流包丁書」という書物の中に「花鰹」の文字があったとか。さらに、薫製法が確率したのは江戸時代。紀州ではじめて造られたといわれ、一般的な鰹節をさすカビづけしたものもまた紀州で生まれたと言われています。
実はこの江戸時代には、鰹節の番付表なるものが作成されていたようです。そこには、全国の鰹節がのっていて、静岡の清水節が大関の評価を得た5つの中のひとつに数えられていたそう。昔から、静岡では鰹節づくりが盛んだったのですね。
鰹節は、うま味成分のイノシン酸を多量に含有することが最近の研究でわかり、これが調味料として好んで用いられてきた理由のひとつだとも言われています。栄養分としてはビタミンB群を中心に豊富に含んでいます。まさに、味の決め手であると同時に、ヘルシーでもある貴重な食べ物だと言えるでしょう。